天皇杯2回戦 vsFC岐阜戦 振り返り
6月1日、パナソニックスタジアム吹田で天皇杯2回戦、FC岐阜戦が行われた。
サンフレッチェ広島戦が中止になったこともあり、完敗の大阪ダービーからはじめての試合で、前回の嫌なイメージを払拭したい重要な一戦であった。

スタメンは、GK加藤、3バックが三浦、佐藤、福岡、WBが小野瀬と黒川、ボランチに奥野とチュセジョン、シャドーが石毛とW・シウバ、1トップにL・ペレイラであった。
福岡、チュセジョンは久しぶりのメンバー入り、W・シウバもかなり久しぶりにスタメン入りした。
開始からJ3所属のFC岐阜ペース。何度か個人技でチャンスは作るも、これまで同様DF、WBを左右に往復するだけのボール回ししかできず、奪われてはスカスカの中盤を突破されてピンチになる展開。そのままの流れで中央を突破され、あっさりと8分、14分に失点し0-2。スタンドからはもはや怒りよりもため息が漏れていた。
ここからフォーメーションを4-4-2に変更。福岡が右サイドバックになり、ブラジル人2トップとなった。ここから少しずつプレスもかかるようになりガンバペースに。21分抜け出したW・シウバが相手GKをかわして得点。この後もボールは握るも有効なビルドアップはできずに攻撃は停滞したまま1-2で前半を折り返した。
メンバー変わらず開始した後半すぐ、CKから奥野が押し込み2-2となった。後半中盤までは同じような展開で停滞したままだったが、ダワン、パトリックの交代出場を機に少しずつ効果的な攻撃ができるようになった。押し込み、何度もシュートチャンスはあるも枠外が多くこのまま後半も終了。
延長開始後も押し込む展開でチャンスを作れていた中、102分相手のバックパスを奪ったパトリックがそのまま決め3-2となんとか勝ち越し。延長後半には藤春がダメ押しの4点目を決め、その後失点を許さず、4-2で試合終了した。
J3のチーム相手にペースをつかまれあっさり2失点する展開であったが、その後4点取り逆転。なんとか勝利して3回戦へと駒を進めた。
この試合の気になった点
○いっこうに改善されない3バック時の戦術
守備に関しては3バックでもシャドーのポジションが少し前から修正されていてきている印象だがそれでもやはり前線からのプレスや相手ボランチへの寄せは甘い。加えて攻撃はDFとWBを左右に行き来しているだけで全くビルドアップできていない。もちろんボランチの能力の面もあるが。
これまでの記事でも再三述べてきた通り4バック時の方が明らかに流れが良いのに、次の試合ではまた3バックに戻っている。3バックでの戦術の成熟をさせたいのかもしれないが、そろそろ改善がないと見ている方も疑問を抱かざるを得ない。
○選手間の能力差がどんどん浮き彫りに
この試合で言うと、小野瀬、黒川に関してはボールを持った時の安心感や、違いを見せてくれる期待感がある。
逆に奥野、チュセジョンのボランチコンビに関しては、やはり中軸に据えるには厳しいと言わざるを得ないと感じた。どちらもJ3レベル相手でもプレスに対して負けているし、相手がいない状況でも前を向けないし、前を向いても前線へのボール供給ができない。奥野に関してはDF間に降りてもCBからきたボールを逆サイドのCBに展開することしかできないし、チュセジョンはボールをもらって方向を変えるとほとんどの場面で身体を入れられてボールを奪われる。本来ならボランチの選手が中心にボールを配給して欲しいが、DFラインにボールを預けてしまっている。ダワンが途中から入ってきただけで流れがガラッと変わっていたので、能力差は本当に大きく、J1レベルでの出場では今後厳しいのではないかとい思う。
DFラインのメンバー、特に佐藤は昨日の相手ですら競り負けたりボールキープされていたり、裏をよくとられていた。このレベルだからあの程度の失点でおさまっていた様な印象だった
○L・ペレイラの意識改善?
昨日の試合、L・ペレイラは個人的にはかなりの貢献度であったと思っている。得意であるはずのシュートを、チャンスが多かったにもかかわらず決めきれなかったのもあるが、右サイドに流れてボールを引き出したり、守備でも(普段よりは)頑張っていた。中央でもボールキープが可能なのでやはり前線1トップに据えるにはL・ペレイラが良いのではないかと思う。怪我から復帰して周りの選手のレベルが上がればさらに活躍できるのではないかと思う。
○ユース2人の出場
この試合ユースからメンバー入りした二人がどちらも出場した。
ここ最近のユースあがりの選手と雰囲気が異なり、フィジカルやメンタルも強い印象。これから頑張ってもらいたい。

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