J1リーグ第14節 vs横浜FM 振り返り
6月18日、代表活動期間での中断明け、ホームでの横浜FM戦が行われた。この日はGAMBASONICとして今シーズンから選手入場時に流れているBoleroを提供しているDef Techがパナスタに来てくれた。

先発はGKに東口が復帰。DFラインは高尾が復帰して右SB、CBは三浦とクォンギョンウォン、左SBは藤春。ボランチに奥野とダワンでサイドハーフは右小野瀬で左山見。パトリックと石毛の2トップで開始した。

開始早々から明らかに前線からのプレスの強度が高く、中盤でボールを奪う場面やロングボールを蹴らせる場面が多く、ガンバペースであった。その流れの中、7分に相手GKへのバックパスを奪ってダワンが決め、ガンバが先制した。その後もプレスをかけるが、横浜も慣れてきたのかプレスを逆手にとってFWへの楔のパスから徐々にペースを握り決定的なチャンスを作り始める。なんとか失点せず前半は0-1で折り返した。
後半も同じような展開で横浜ペースで開始。いくつかチャンスはあるも、プレスで前線で奪える機会が少なくなり、深い位置でボールを奪ってもなかなか前線まで運べなくなる。相手ペースの中、後半11分、16分と耐えきれずに立て続けに失点。その後選手交代で流れを引き込もうとするも変わらず、チャンスすら作れずに時間が経ち、終了間際にはクォンギョンウォンが退場。そのまま試合終了。1試合消化試合が少ないながらも降格権間近の15位となった。

気になった点
○前線からのプレス
監督が会見でも言っていたり、多くのサポーターも言っているが、中断あけのこの試合、明らかに準備してきたと見て取れたのは積極的に前線からのプレスを行うということである。ここまで3バックでは全くプレスがかからず4バックにすると少しは前線からの守備ができて流れが良かったということや、宇佐美不在などの要因もあり攻撃が構築できない中でショートカウンターが唯一得点の可能性がある、といった点で、前線からのプレスをチームで共有して行うというのは理にかなった改善方法と考える。明らかに戦力で劣っているチームが勝つにはドン引きサッカーで耐え続けて引き分けか1点差勝利を目指す以外にはこれしかないとは思う。前半開始後15分くらいはそれが効いていて、実際に得点も奪うことができた。
ただそこからはいつもと同じ展開で、プレスに慣れてきてかつ、戦力・自力に勝る相手に徐々にペースを握られ、整備されていないブロックを崩されて決定的なチャンスを作られ続ける。そして耐えきれずに後半逆転を許す。
プレスをかけて前線で取りきれた時はよいが、本来成功であるはずの相手に蹴らせた後のDF陣のロングボールや楔のパスへの対応の脆さ、あとは跳ね返した後の中盤のセカンドボールを拾う能力の低さによって、プレスがあだとなってむしろ後ろがスカスカになってピンチを迎える場面が多かった。横浜の守備陣の配給の良さや、前線の相手を背負ったプレーの上手さももちろんあるが、同じような展開が続くのあればプレスとブロックを使い分けるか、後ろの対応を考え直したり対人に強い選手を起用するかが必要かと感じた。
SNSなどでは前半の内容は中断前よりは改善していたという評価が多いように見えたが、現地で見る分には、1点はとったものの、先述した理由でプレスを闇雲にかけ続けるというのが実際にうまくいったとは正直言い難いと思っている。
○高尾の重要性
この試合前半が良かった理由の一つ、というよりむしろプレスをかけたこと良いも良かった点は高尾が復帰したことだと感じた。ボールが来ても慌てることなく、小野瀬やFWにつけることができたり、中にドリブルをしてプレス回避して逆サイドに展開ができるなどの攻撃面の貢献はやはり大きい。守備でも上背があるので思っているよりも守備での貢献もできる。コンディションが整ってフル出場できれば核となる選手である。
○山見の成長
中断前は軽いプレー、不用意にボールを奪われることが多かったが、この試合は低い位置では簡単にボールを運ぶプレーをして、かつ高い位置ではチャンスを作るようなプレーができていた。攻撃の核に据えるには物足りないが戦力にはなってきている印象だった。
○東口の存在の大きさ
やはり「背番号1」の存在は大きく、セービングは安心感もあるし、経験値があり足元の技術も高い。復帰はやはり大きい。
○やっぱりダメか、L・ペレイラ
中断前やっと走るようになってきて、パトリックへのロングボールだけの戦術には限界が見えてきた中で、頑張るようになってきたペレイラ。ただこの試合はシーズン開始直後のペレイラに戻っていた。限界なのかもしれない。

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