J1リーグ第15節 vsサンフレッチェ広島 振り返り
6月29日、コロナ感染症の影響で延期となっていた広島戦が行われた。前回の開催予定日は観戦予定だったが今回は平日でDAZN観戦であった。

前節の完敗、降格圏内に順位を落としたこともあり、上位広島に対して誰もが不安を感じた状態での試合だった。
スタメンはここ最近の4バックではなく、3バックに戻し、福岡・三浦・ディエゴの3バック、斎藤・ダワンのボランチに小野瀬・黒川のサイド、山見・石毛のシャドー、坂本の1トップであった。
福岡、坂本、斎藤のスタメン起用に黒川の復帰が印象的であった。
これまでの3バックでは前線からのプレスが効かず自然と押し込まれた展開となり、奪う位置が低くなって、戦術整備がされていないこともありボールを前線に運べずすぐに奪われる、内容であったがこの試合は違った。
開始から全員がアグレッシブで奪われた後のプレスが効き、シャドーの守備に関しても共通意識があった。攻撃面でも福岡な持ち上がりやパス配給か効いていたり、石毛が降りて3ボランチ気味でビルドアップが安定した。それによってここ最近と比較しても格段に良いペースで試合は進んだ。その勢いのまま、36分に復帰した黒川の左足のゴール、立て続けに39分この日抜擢された坂本のこぼれ球からのゴールが決まり2-0に。流れ悪くなることなくそのまま前半終了。
後半は得点を奪おうとペースを上げた広島に押し込まれることが増えるも、これまでみたいに終始相手ペースではなく、前線の坂本を起点にボールキープでき、攻め切ることもできていた。交代選手も躍動し、そのまま2-0で試合終了。これまでの閉塞感が嘘のような、選手達の奮闘が見れ、うれしい5試合ぶりの勝利で12まで順位を上げた。
終了後は久しぶりのガンバクラップ。得点を決めた黒川、坂本中心に行われ、非常に盛り上がった。
気になった点

◯選手起用
パトリックの個人として、またパトリックに依存したロングボール戦術への限界の声が大きくなっていた中での坂本の先発起用。倉田や奥野のプレーへの不満などここ最近サポーターの多くが感じていたことを改善してくれるような片野坂監督の選手起用。リーグ杯や天皇杯での好プレーで起用が期待されていた福岡の起用などもあり、非常に試合前から期待感のあったスタメンであった。
実際のチーム事情はわからないが、貢献できない外国籍選手の引き続きのメンバー外など、監督もわれわれと少なからず同じ意見・考えがあることに安心した。
◯3バック戦術成熟への期待感
これまで3バック採用時のプレスやビルドアップの拙さに限界を感じ、比較的流れのよかった4バックが採用され、それに関しては妥当な選択だと感じていた。
しかしこの試合は、守備に関してはシャドーが相手のCB(3バックの両脇)に当たるのかどうか、そうした時のWBやSH、ボランチへのプレスをどうするのかが整備されており、加えて各選手の出足も早かったこともあってかなりプレスが効いていた。プレス回避された時の戻りも早くて、5-4-1のブロックとの使い分けもできていた。いざブロックを作った時もただいるだけでひとに当たれない5-4-1ではなかった。後方も相手前線選手の怖さがなかったこともあるがDF陣が潰せていたし、中盤のセカンドボールへの反応も早かった。
攻撃面では意図的なのか、3バックの前にダワン、その両脇に右斎藤、左は降りてきた石毛が入り、ビルドアップができていた。さらには左のディエゴ以上に右CBの福岡が効いており、相手を引きつけての逆サイドやボランチへの配給、スペースを見ての持ち上がりのおかげでかなりスムーズにボールが動かせていた。
これが片野坂監督がしたかった3バックなのか。適した人材を見極めて起用できれば、更なる内容改善も期待できると感じた。
◯嬉しい坂本のゴール
最近ユース上がり含めて若手生え抜き選手がトップチームで活躍してくれる場面があまり見れていない。起用されずに移籍(移籍先で活躍)、数試合の活躍ですぐに海外移籍、といったことが多いので、是非ともこのままがんばトップチームで活躍を続けてほしい。中村も後に続け!
◯続く人員整理
この試合でもL・ペレイラはベンチ外。その他チュセジョンやウェリントンシウバもベンチ外であった。シーズンの半分がすぎさらに人員整理が進んできている印象。
◯鈴木武蔵獲得決定的、食野亮太郎獲得濃厚
6月30日、鈴木武蔵獲得決定的、食野亮太郎の復帰も濃厚との報道があった。内容も改善された久しぶりの勝利でただでさえ嬉しいサポーターをさらに喜ばせてくれる補強。
鈴木武蔵は身体能力はもちろん、繊細なボールタッチというような選手ではないがそれでもパトリックよりは足元の技術はあるし、FWの軸として計算できる選手。食野も活躍がすぐに海外移籍し、サポーターの間では賛否あったが、せっかく戻ってきてくれるし、ドリブル含めた個人能力に疑いはない。2人合わせて活躍に期待したい。大阪ダービーから起用可能なようである。

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