J1リーグ第34節 vs鹿島アントラーズ 振り返り
11月5日、J1リーグ最終節アウェイでの鹿島アントラーズ戦が行われた。

前節の勝利で15位と順位を上げ、自力残留が可能な状態での試合。引き分け以上で自動降格は避けられるという中で、試合前からサポーターにも緊張感があった。
L・ペレイラ、小野瀬がベンチ外になり、スタメンにパトリック、食野が起用された他は、前節同様のメンバー。
試合開始から終始鹿島ペース。個人技術もさることながら、やはり一人ひとりのフィジカルレベルが高く、カウンターやロングボールは難なく潰されて回収されてなかなかマイボールの時間が作れない。
ただ前節は勝利したものの、ここ最近調子の悪い状況が続いていた鹿島も最後のところでの精度を欠いており、決定的なピンチは少なかった。守備では定番の4-4-2のブロックが効果的であった。
攻撃は主にカウンターだが、そもそも回数が少なく、さらに先述の通りチャンスにつながらず苦しい展開も、0-0で耐えて前半は終了。
後半も同じ流れ。基本的に耐えることが多かったが、引き分け以上で自動降格はなくなるので気合の入った守備で得点を奪われず終盤に。
鹿島が選手交代で得点を奪いにくるも、やはり最後のところの精度の低さで大きな決定的ピンチはなし。
同時刻試合の清水や京都が勝ち越せずにいることから、失点しないことを祈るように見ていて、心臓に悪かったが、このままスコアレスドローで試合終了。
清水は負け、京都は引き分け。これで15位が確定し、自動残留を果たした。近年まれに見る厳しい残留争いに最終節まで巻き込まれたが、来年もJ1にとどまることができた。

気になった点
①厳しかった残留争い、なんとか残留
②監督は留任?交代?
①厳しかった残留争い、なんとか残留
今シーズンは本当に降格を覚悟した。横浜戦、磐田戦の勝利で15位に浮上した後はサポーター内でもさすがに大丈夫かも、という楽観的なコメントも見られるようになってきたが、それまではかなり絶望的な状態であった。
終盤での巻き返しの要因は、明らかな監督交代と宇佐美の復帰の2点。
宇佐美が怪我していなければ片野坂監督ももう少し良い成績をあげられたかもしれないという意見もあるが、それでも24節経過して全く改善されない内容を見ると否定的にならざるを得ない。監督交代後10試合で4勝3敗3分、7試合が無失点。守備戦術の構築を含めて残留を目標とした場合、最適な監督であったし、松田監督には本当に感謝しかない。このまま優勝が狙えて常勝軍団となれるかというと、それは難しいかもしれないが、ポジションをバランスよく配置した上での個人能力を前提としたビルドアップも最終局面の攻撃の整備をすれば得点力向上も見込めるかもしれない。
宇佐美に関しても復帰から2勝2分と、やはりチームのエースとして欠かせない存在で、チーム唯一の違いを出せる選手であることを証明した。これまでW杯など日本代表での重要な試合では起用されなかったことや、ここ数シーズン宇佐美の怪我がなくとも上位になれなかったことなどからもわかるように、もう少し前線にとどまっての決定的な働きや相手のバランスを崩すようなオフザボールの動き、守備面など課題は依然としてあるものの、やはりこの選手を中心としてチームは構築されるべきだと再認識させられた。
ひとまず残留できたことはかなり大きい。
来シーズン、シーズン序盤から結果を出してここ数シーズンの負のスパイラルから脱するために、早めに監督含めてチームスカッドややりたいサッカーを決定してキャンプでその成熟をおこなって欲しい。
②監督は留任?交代?
まだ全く情報が出てきてはいないが、サポーター内では松田監督の継続指揮を望む声が多かったり、ここまで失敗してきたOB監督に対しての否定的な意見もしばしば見られる。
個人的な意見としては、やはりチーム愛の強いOB監督に、攻撃的な戦術を構築して長期に指揮してもらいたいという思いが強い。ただ確かにここ最近はそれにこだわってあまり既存戦力と噛み合わず、戦術的にも成熟していない監督をOBだからといって過度な期待をもって迎えてしまうことも多い。そ右すると、うまくいかない場合でも切りにくくてずるずると引きずってしまう。
ガンバの場合、今年の広島のように新しい当たり外国人監督を見つけ出してくることには期待できないので、実績のある日本人監督の可能性が高いとは思うが、いずれにしても早めに決定してしっかりと来シーズンにむけて準備をして欲しい。
もちろん監督も重要だが、サッカーのトレンドがフィジカルやトランジションに重きを置くようになってきていることに取り残された感のあるガンバにとっては、チームの、そして選手の意識を変えることが一番重要だと思われる。

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