はじめに
「ダービーに現在の順位やチーム状態は関係ない」
「順位は負けていてもダービーだけは負けられない」
ダービーマッチとは同じ都市のチーム間の試合というところから始まり、現在では国を代表するチーム同士の試合も含まれるようになりった。現在はライバルチーム同士の対決を広く意味する言葉としてよく用いられている。比較的お互いに和やかな雰囲気のダービーもあるが、お互いの対抗心などから激しい試合となることが多い。
サッカーに興味がある人であれば、冒頭のようなことは誰でも聞いたことがあるし言ったこともあると思われる。実際にダービーでの勝利は格別である。
ただ、本当に別物なのか？
そのシーズンのチーム成績は関係ないのか？
意外とシーズンの結果通りにダービーも決着することが多いのではないか？
検証してみることとする。これでシーズン成績とダービーでの戦績が反対のことが多いのであれば、、、、
やっぱりダービーはすごい。
検証（方法）
世界中のダービーマッチを全て検証するのは途方もない作業なので、一部に絞ってみる。
どう絞るかが一番難しいのだが、今回は2017年イギリス紙『ミラー』で発表された「世界で最も激しいダービーマッチ TOP20」を参考にしようと思う。
どのダービーを選ぶかが難しく、明らかな戦力差があれば、シーズン成績もダービーも勝利という結果が多くなるので、選択基準としては適さなくなる。比較的、強豪同士でどちらかが何年も勝ち越し続けているというわけではないダービーを選んだ結果、今回はこのリストの20個のダービーで検証する。全てシーズン成績が同じくらいのチーム同士のダービーのみを選んだら良かったかもしれないが、今回は手間の関係で難しかった。あと、ダービーマッチの時点での順位を見ないと意味がないかもしれないが、それも手間がかかりすぎるので断念した。
ダービーでの勝ち負けは、2戦行って、合計点が同じ場合はアウェイゴールが多い方を勝ちとした。引き分けの場合はカウントしなかった。
①シーズン成績とダービーの結果が同じ、②シーズン成績とダービーの結果が逆、それぞれのシーズン数をカウントした。
選んだダービーのリストは、以下の通り。データを取りにくかったので、欧州のみとし、ボスニア・ヘルツェゴビナとセルビアのダービーは除いた。対象としては11個のダービーを採用した。
スーペル・クラシコ／アルゼンチン
エル・クラシコ／スペイン
オールドファーム／スコットランド
エジプト・ダービー／エジプト
イスタンブール・ダービー／トルコ
ウルグアイ・クラシコ／ウルグアイ
ローマ・ダービー／イタリア
イングランド・ダービー（ノースウエスト・ダービー）／イングランド
ポルト・アレグレ・ダービー／ブラジル
ルール・ダービー／ドイツ
アテネ・ダービー／ギリシャ
アベジャネダ・ダービー／アルゼンチン
メキシコ・ダービー／メキシコ
ミラノ・ダービー／イタリア
マンチェスター・ダービー／イングランド
デ・クラシケル／オランダ
ル・クラスィク／フランス
モスタル・ダービー／ボスニア・ヘルツェゴビナ
リオデジャネイロダービー／ブラジル
ベオグラード・ダービー／セルビア
2001-2020の20シーズンのデータを取った。違うリーグにいたりして対戦がなければノーカウントとした。
結果は、、
検証（結果）
全195シーズン中、
①ダービーの結果とシーズン成績が同じだったのが131シーズン
②ダービーの結果とシーズン成績が違うのが64シーズン
だった。
67.17%、約2/3がダービーの結果とシーズン成績が同じであった。
どう解釈するかだが、そのシーズンのそのチームの強さなどを考慮すればごくごく妥当な結果なのではないかと思われる。
その中でもローマダービー（ローマ vs ラツィオ =10 vs 8）、アテネ（ギリシャ）ダービー（オリンピアコス vsパナシナイコス =8 vs 6）に関しては①と②の数が近く、ほぼ成績関係なしで五分五分。
最後に
かなり選択バイアス、検証方法に問題はあると思われるが、以上の結果となった。
「ダービーマッチは成績に関係ない」、とよく言われるほどの結果ではなく、比較的そのシーズンの結果を反映するようなダービーでの戦績が予想される。
ただし、やはりどのような状況であれ、それぞれのチームのサポーターにとっては特別な試合であることには関係ないであろうし、ダービーは試合結果以上のものをもたらしてくれる。これからも大阪ダービー中心に様々なダービーマッチを見ていきたい。
（P.S.）
旗手選手、2G1Aとすごい活躍でした。井手口選手も早く復帰して活躍して欲しいですね。ちなみにオールドファーム、グラスゴーダービーは、上の結果では15シーズン中11シーズンでダービーの戦績とシーズン結果が同じであったので、今シーズン逆転した勢いでこのままセルティックは優勝できるのか、期待したい。
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