はじめに
サッカー界において、負けがこんでいるチームにとっての打開策として、監督の解任・交代がある。
シーズン前のキャンプから指揮する監督を交代することには大きなリスクを伴うが、そうも言っていられないチームがこの決断を下すことはよくある。その際、まだ就任してすぐで新監督の戦術が浸透していないにもかかわらず、勝利をおさめることは比較的多い印象がある。
調子の上向かないチームが、この荒治療によって士気が上がることも多く、「解任ブースト」と言われることもある。
今回は、体感としては実際にありそうな、この「解任ブースト」を検証してみようと思う。
検証方法
2012年から2021年の10年間、監督を解任したあと5試合の成績のデータを集計した。
※一時的にコーチが指揮し、その後新監督を招聘した場合も解任の次の試合からの成績で評価した。
※年に何度か交代した場合も全ての解任のタイミングで成績を集計した。
※解任までの成績は評価できていない。
結果
10年でのべ、57チームが監督を解任していた。
解任したあとの5試合の平均勝ち点は、
1試合目 1.47
2試合目 1.52
3試合目 1.24
4試合目 1.46
5試合目 1.42
1試合目に関しては、23勝19敗15分であった。
38試合×平均勝ち点1.47=55.86 で、2021シーズンでいうと8位にランクインできる成績。
最後に
この結果をどう解釈するか。
解任までの成績を集計して比較できればよりよかったが、勝ち点だけを見るとやはり解任という荒治療、「解任ブースト」は実際にあると考えてよいと思う。
できればこのような状況に陥りたくはないが、一つの選択肢として選択するのは妥当なのではないかと考えられる。
ちなみにこの10シーズン、J1リーグで監督の解任を行ったのが多いのは、1位神戸7回、2位清水5回だった。
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